吉相仏壇と祀り方

私共は徳風会会長竹谷聰進師の御指導の下、お墓の家庭の遙拝所として吉相仏壇のお祀りのお手伝いをさせていただいております。

私共柿本常光は先々代が墓相家であります初代竹谷聰進先生より吉相仏具・仏壇、とりわけ福相御本尊の彫刻作法や心持ちなど製作上の決め事を御指導いただいて以来、先代〜現在に至りその貴重な御指導を唯一享けた者として忠実に受け継ぎ守って参りました。
福相御本尊は御下命を頂いた御施主様毎に心をこめて彫刻させて頂いております。吉相仏具も
御尊家様の仏壇寸法に基づき、最も適当と思われる吉相寸法にて謹作調整させて頂きます。

初代竹谷聰進先生がご研究・考案され、私共にご指導頂いた福相御本尊・吉相仏具と吉相仏壇の正しい形をお施主様にお伝えする事が勤めと心得ております。吉相仏壇に関わります事は、ご安心してなんなりとお尋ね下さいます様お願い申し上げます。

御説明やお納めには日本全国参上させていただいております。

☆ 「吉相仏壇」という仏壇は存在しません 

吉相仏壇とは、吉相の祀り方をされた仏壇の事をいいます。
初代竹谷聰進先生がお墓と仏壇は先祖祭祀の車の「両輪」にも例えられました。お墓と対を成しご家庭の先祖祭祀の中心としてお仏壇を正しく祀り、吉相墓とお仏壇による先祖祭祀がより一層調和され生生まれ来る力を重要視され、研究御考案された吉相仏具、すなわち吉数理(吉相寸法)にもとづいて製作した御本尊をはじめとした吉相仏具をお祀りしたお仏壇を「吉相仏壇」と呼称しています。

吉数理(吉相寸法)とは「八十一数霊導」によりみなさまの御仏壇に祀られる吉相仏具をより良い意味を持つことができるように謹作させていただいている大きさや数を決める元となる数字です。「八十一数霊導」はコ風会基準寳暦にも毎年掲載されています。また、私共発行の小冊子『幸福を招く先祖祭祀』にも良い数字だけを抜粋して掲載しております。

吉相仏壇という仏壇がないと申し上げましたのは以上の様な理由です。つまり、仏壇ありきといった考え方ではなくお祀りする対象物(御本尊・両脇掛軸・御位牌など)と方法を重要視しているのです。

この考え方は一般式の祀り方のお仏壇を求められる場合であっても当てはまります。お仏壇にご予算の大半を割り当ててから、お祀りする御本尊以下を予算内で仏壇屋さんにお任せして求められ祀る、まさにお仏壇ありきの祀り方を散見致しますが、本来は先祖祭祀が目的でありますので本末転倒です。
お仏壇をご先祖のお家に例えられた場合、やはり中に入られるご先祖あってのお仏壇ですから、@お仏壇を安置される場所に合うお仏壇の大きさをある程度決め、A宗派毎の正しい御本尊、両脇掛軸と御先祖様方御位牌を決定、Bお仏壇を選ぶといった順番が正解といえます。

吉相墓にて御先祖様方を正しく祀られている、また祀られようとされる御尊家様は、お墓と対を成す仏壇によるご家庭での先祖祭祀を初代竹谷聰進先生御指導の吉相による理想の形で正しく祀られる事により均整のある祭祀が実現します。

吉相仏具につきまして次の通りご説明させて頂きます。
赤色太字
の物は初代竹谷聰進先生御指導の形、青色太字は二代目竹谷聰進先生御指導の形でございます。

位牌

 お墓の遥拝所にして御先祖様の象徴です。吉相墓と同じく御先祖様方を戒名で祀ることが大切ですから、ほぼ吉相墓の祀り方に準じて作ります。
 本家様だけでなく分家初代様も同様に御位牌をお仏壇の上から二段目向かって右側にお祀りいただきます。
 吉相墓の五輪塔で祀られているご先祖様方がたくさんいらっしゃる場合は写真右側の様な操出型の位牌でお祀り頂く方法もあります。そして先代様の御位牌は御先祖様と同じ大きさの普通位牌にて、お子様や水子様の御位牌は小さく作ります。御夫婦は一つの位牌でお祀りします。
 宗派に関係なくみなさんお祀りください。[吉相仏壇のお位牌について]

福相本尊

御仏壇内の御本尊はたとえ絵像であっても福々しいお姿を、また木像がより力があるとされています。そこで初代竹谷聰進先生は吉相仏壇の究極の御本尊として、木像にて様々な「相」による力強さを人間の福相で表現した福相本尊と、その彫刻作法を御考案されました。 人相、手相の他、「相」による力強さ、「動の態度」を表した福相御本尊をお迎えされる事は吉相仏壇を祀る上での最終形態ともいえるでしょう。
 初代先生の福相御本尊は、御指導を受けていない在家用御本尊にみられる涼しげな眼や口元をしたスマートな印象の仏像でなく、童顔の若々しくにこやかなお顔で若さと生命力を表しています。手や足も赤子の如くふっくらと、定められた手法でよい手相や行動力を表しています。

 また、御身や台座光背の巾や高さ奥行きなどは吉寸にて彫刻し全体の「相」の調和を整えている事は言うまでもありません。宗派によって定められた福相御本尊がございます。
 材質は現在では白檀材や檜材を使用し、
私共福相御本尊仏師柿本常光がお施主様の為、心をこめて謹作させていただいております。[福相御本尊について]

両脇掛軸

両脇、脇侍仏ともいい、御本尊のお働きをお助けするといわれています。
吉相では木像を祀らずに必ず掛軸をお祀りします。
ご本尊と同じく、必ず宗派に応じた掛軸をお祀りください。(日蓮宗身延派、大念仏宗等は三幅ございます)
基本的には一般式の絵像と同じ方をお祀り致しますが、一部吉相式の祀り方がございます

吉相瓔珞

瓔珞とは本来は御仏壇内の荘厳具とされています。
吉相では御本尊様を御先祖様の身体に例えるならば「手」に相当し、そのお働きを助け多くの協力者を得られるとの御指導です。可能な限り大小二対を御本尊様から末広がりに祀ります。
吉相瓔珞は吉数理に基づいて造られています。下がりの三枠や三銀杏(小三枠)には吉数の「3」を表して構成されているのは初代竹谷聰進先生がご研究の上御考案された形状で、一般に見られる木製瓔珞とは異なります。
材質を紙木製としている意味は、金属やプラスチック(石油)のように地下にあった「陰」のものよりも、自然の恵みを受け天に向かって伸びていく木、すなわち「陽」で作られたものである方がより力があるとされているからです。これは後述します吉相常花・仏天蓋にも同じことが言えます。

吉相常花

仏前に置く金蓮華です。吉相仏壇では前述の吉相瓔珞が御本尊様の「手」を助ける働きに対し吉相常花は「足」の働き、特に行動力をお助けします。吉相瓔珞と吉相常花で手足をそろえることになり、より御本尊様仏様のお働きを助け協力者や後援者を得られるといわれています。
花立は木製黒漆塗りで初代竹谷聰進先生が御研究、御考案された吉相の形状で忠実に製作し、上面を青色に彩色します。これは水板といって、金蓮華に力を与える吉相の特徴です。

仏天蓋

仏天蓋は御本尊様の上に笠のように吊し、雨露塵埃を避け御本尊様を守るといった意味があり、吉相祀りに関係なく一般式のお祀りでも使用される仏具です
初代竹谷聰進先生から御指導頂いた時点は、吉相上の相や意味は天蓋にはありませんが、お迎え頂く際、吉相瓔珞の下がりと形を同様にされたいとのご要望にお答えする形で吉相瓔珞と同じ作りで製作する様になりました。
しかしながら吉相瓔珞と同様の三枠をもつとはいえ、本来は吉相上の意味が無い事から、吉相仏具としては省略する事もございます。
段階的に吉相仏具をお迎えの御施主様には福相御本尊をお迎えされた機会にご一緒にお求めされる事をお勧めします。

☆ 吉相寸法について

吉相寸法とは「八十一数霊導」によりみなさまの御仏壇に祀られる吉相仏具をより良い意味を持つことができるように謹作させていただいている大きさです。


☆ 一般的な吉相仏壇の祀り方
(毎年発行される徳風会の基準寶暦にも掲載)

ご家庭でお仏壇を祀られるにあたり、以下に記載の祀り方と傾向を元に、上にてご紹介させて頂いた吉相仏具を祀った吉相仏壇の祀り方を御指導いただきました。

一、仏壇はお墓の遙拝所である。
二、祭壇を、座して礼拝する時に頭が上に向くように祀ったり、礼拝の不十分な家庭は不和・意見の不一致が生じやすい。
三、仏壇の向きは東から南向きが良い。
四、仏教式の本尊は、立像でも座像でも貧弱な姿は不可、写実的な木像か画像が良く、顔は下膨れ形で色は古代色が良い。 金物や石の仏像・本尊等は、主人、相続人に突然の不慮の災難を招くことがある。
五、両脇は掛軸にて木質瓔珞を掛け、木質常花(金蓮華)を置くと良い。事業や家庭の難事の際後援者を得る。
六、仏壇の輪燈は飾りとする。神経過敏、神経痛、不眠症、眼疾等を誘発することになるので電気は入れません。仏壇の扉の止金の破損は鼻の先の怪我、腫物等になりやすく、扉の蝶番の破損は耳の病になりやすい。
七、仏壇の中に写真を祀ると、頭のふらつき、家庭不和を招く。仏壇の上に掛けるのも同様です。また仏壇の上部に物を据えぬこと。品物を置くと前記と同じ現象が起きる。
八、仏壇の生花は高くしないこと。ローソクの火は途中で消さないように。
九、位牌は台の形に吉凶はなく、祀り方も特殊な仏壇や家によって異なるが、普通一般の家では上から二段目、向かって右側に○○家先祖各靈位または菩提の位牌を一基(分家初代の場合)祀る。吉相墓の五輪塔で祀られている御先祖は、繰り出し位牌にして向かって右側に、先代(両親)のものは同じ寸法の普通位牌で向かって右側に祀る。子供(水子を含む)の位牌は小さくし、向かって左側一段下に祀る。白木の位牌を常時祀っていると、家庭に常に病弱者がある。
十、過去帳は祀らず子孫への記録とする。
十一、位牌および過去帳は水に流しても、燃やしても統計上吉凶はないが、個人では処理しないほうがよい。
十二、他家の先祖および本尊を同一の祭壇に祀ると、他人の生活を助けて、自己の家庭が衰微し、子孫に金銭の不足が生ずる。また自己の仕事より他人の世話の好きな世帯主となる。
十三、供物を早く下げるも、長く供えるも統計上差異はないが、長く供えるとネズミを招き、本尊を損傷することがある。
十四、仏壇は金箔に限らず唐木物でもよく、また箱の中でも机の上でも統計上吉凶はない。
十五、本尊一体のみ祀ると孤独な家庭になる。本尊の左右に掛軸を掛けると良い。